アーティゾン美術館、森村泰昌氏の《海の幸》探求・解釈
こんにちわ。
ここ一年ほど展覧会などに全然行けてませんでしたが、
コロナが落ち着いてきたので、
美術館これから気合入れて色々行きたいです!
今回行ったのは、アーティゾン美術館の展覧会。
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話、
同時開催の石橋財団コレクション選 「印象派ー画家たちの友情物語」
「特集コーナー展示 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」です。
関西にいた時期があり、森村泰昌さんの作品は昔見たことがあり、面白い作品が多くて好きなアーティストの一人です!
テーマもちょっと気になったので行ってきました。
アーティゾン美術館
・はじめに
・ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話
・印象派ー画家たちの友情物語
・特集コーナー展示 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン
・おわりに
・参考
はじめに
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アーティゾン美術館初めていきました!
東京駅から地下街を通って地上にでるとあります。
ぱっと見普通のオフィスビルという感じでした!
チケットは事前に入場時間指定のものを購入。
入場時間が一時間半ごとに区切られていて、この間に入場します。
数日前でもスムーズに空きあって予約できました。
森村さん展示のチケットで同時開催の展示も鑑賞できます。
訪れたのは、12月後半の土曜日。
入館後に金属探知機の検査(普通にひっかかるw)があるからか、少し並んでから入場しました。
その後は、展示室にある程度人はいるものの、
ゆっくり歩いて一つずつ鑑賞できる程度でした。
特定の作品はじっくり見て、ぱっと見て過ぎる作品もありという感じの鑑賞で、
全部で1時間半〜2時間くらいかかりました。
森村泰昌さんといえば、有名な絵画・写真作品の情景を、自ら扮して再現してセルフポートレートを撮る手法が有名な現代アーティストですよね。
M式は「森村式」の略みたいです(詳しくは公式へ)。
展覧会タイトルにも入っている《海の幸》といえば、青木繁(あおきしげる)さんの作品。
明治期に活躍されたもの、28歳という若さで亡くなられた画家ですが、
《海の幸》は代表作とされています。
その《海の幸》を研究し、森村さんならではの解釈で制作された作品の展示となっていました。
ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌
M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話
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この展示は序章・第1章〜4章・終章で構成されていたので、章ごとに紹介します。
配布チラシとマップはこちら。
序章「私」を見つめる
森村さんが青木さんのポートレートを元に制作した作品群の展示です(写真は一部)。
青木繁《自画像》(1903)と森村泰昌《自画像/青春(Aoi)》(2016/2021)
第1章「海の幸」鑑賞
《海の幸》の実物展示がある章です。
青木さんのその他の作品も展示されていました。
展示壁が濃紺で、詩のような作品・作家の説明文があったのも印象的。
物語の中に作品が位置づけられているような感じで鑑賞しました。
《海の幸》青木繁(1904)
《海》《海の幸》青木繁
第2章「海の幸」研究
章のタイトルそのまんまですが、《海の幸》から派生した森村さん作品の展示です。
絵画作品を立体的に表したジオラマや、M式「海の幸」制作にあたる制作過程の作品(習作)が展示されていました!
《M式「海の幸」ジオラマ》※それぞれ番号あり
右から《M式「海の幸」習作(色合わせ02:それから)》《M式「海の幸」習作(色合わせ03:パノラマ島綺譚)》
こうやって作品を読み解いてるのか…!(・□・;)
という過程が見れるのは貴重でした。
絵画の中の一人ひとりを細かく観察して、自らの写真と重ね合わせたり
……というか結構アナログ!
《M式「海の幸」のためのスケッチ、メモなど一式》森村泰昌(2020-21)
実際に使用されたらしい衣装まで…(人気ドラマの展示かい…)
それにしても森村さんスタイル良すぎませんか??
《M式「海の幸」のための衣装資料》
第3章M式「海の幸」変装曲
狭い入り口を入ると、急にひらけた円状の空間に、ずらっと作品が。
《海の幸》が制作された明治時代を起点として、様々な時代背景の10点の《M式「海の幸」》。
森村さんならではの解釈で展開されています!
(章のタイトル変装曲なのね…)
《M式「海の幸」》作品展示空間[/caption]
個人的に一番好きなのこの作品
(番号メモ忘れてしまいましたが…)
《海の幸》の素っ裸の人々が大きい魚担いでるのとは違うけど、
ある意味この時代・夜の歓楽街での生き方を表すのはこいう感じなのかなとしみじみ思いました。
あと単純に森村さんお綺麗だな…っていう(^^;
第4章ワタシガタリの神話
森村さんが青木さんについて語る18分30秒のビデオ作品です。
暗い空間に、森村さんが座っていて、その前にイーゼルと画板(絵は無し)があり、
ただそこで青木繁に話しかける口調の語りだけで18分!
長く感じるかな?と思いましたが、さすが関西人(笑)しゃべりのうまさにあっという間に見終わりました。
内容としては、青木さんは人望がなかったこと、
きっちりしている所と乱暴者の2面性があったこと。
《海の幸》は10人のフリチン(w何回も言う)達が描かれていて、
サメがモリで突かれているのがなにやらエロティックな感じもする…と。
初期の《海》は夕方の様子であったが、遺作では朝の様子が描かれている。
※あくまでも個人の記憶の範囲の内容です
森村さんならではの解釈がより頭に入りやすいですし、
自分も《海の幸》の作品はこうだったかな?と改めて思い出して、
再度鑑賞したくなりました。
終章
《海の幸》で、一人顔が白く目線がこちらに向いている人物がいます。
それを森村さんは恋人?的な存在と解釈されているようで、
その部分に焦点をあてた章となっています
《「女」の顔》※1から番号ふってありました[/caption]
※私の写真ぶれてしまってました
同時開催「印象派ー画家たちの友情物語」
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同時開催されていた石橋財団コレクション作品からの展示も見ました!
印象派という響きだけでおしゃれな感じで、人気がありますよね;
本展では、交友があった画家たちのペアごとに作品を展示してありました。
作品自体に関連性があるという感じではないですが、
エピソードなど交えながら鑑賞できるのが楽しかったです。
今回おもしろかったのが、このわかりやすい配布物!
イラストは漫画家による書き下ろしのようです。
なんか親近感が持てていいですね!
印象派の著名作家の作品がずらり…
手前《カーニュのテラス》ピエール=オーギュスト・ルノワール、奥《すわる水浴の女》同
印象派といえば!のモネの作品も8点ほどありました。
《睡蓮の池》クロード・モネ
ポール・シニャックの点描画が色彩豊かで好きでした^^
下の階にも続きます!
下の階では、時代国様々な作家の作品が展示されていました。
《野草文花瓶》エミール・ガレ
特集コーナー展示 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン
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コレクション展の中の特集コーナーで「挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」がありました。
フランス20世紀の画家たちによる版画がほどこされた、ワインや蒸留酒をテーマとする挿絵本をもとにした展示です。
かわいい冊子まで!(p14フルカラーすごい)
挿絵だからか、ラフな感じでかわいらしい絵が多い印象でした。
↓どこかで見たことのある作品…と思ったら、ルノワールの《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》から影響うけてるみたいです。その時代にも流行ってたんでしょうか?
《ムーラン・ド・ラ・ギャレット(ルノワールに倣って)》ラウル・デュフィ
おわりに
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アーティゾン美術館は初めていきましたが、
個人的に、階ごとの展示ボリュームがちょうどいいな…と思いました(狭す(少なす)ぎると物足りないし、広す(多す)ぎると疲れる)
森村さんの展示は、制作過程の展示が普通の展覧会よりかなり多く、
緻密な作業過程が見られたのが貴重でした!
森村さん式《海の幸》は時代ごと、人物ごとに見せる表情の違いが面白かったです
(もうちょっと一枚一枚ゆっくり見たらよかったと後悔)
コレクション展は、目玉作品があるという感じではなくとも、
著名画家の作品まんべんなく見れて満足でした。
おまけですが、美術館には外を見ながらくつろげるスペースがあり、美術館隣がなにか大規模な工事が…!
また展示でくるときには何か出来てるかな…。
美術館には、ショップもそこそこ?の大きさもあり、恒例のポストカード購入w
入り口におしゃれなカフェがあり、展示に合わせて凝ったメニューなどもあるようで、
次はゆっくりそちらにもよりたいです( ´▽`)
あとで知ったのですが、アーティゾン美術館って聞いたことないな…と思ってたら昔は「ブリジストン美術館」だったそうで…!(創業者石橋さん…石ストーン、橋ブリッジの!)
歴史など詳しくはないですが、とにかく館内が綺麗でした。
インフォメーションルームは現代の美術館の図書館だなっていう感じです。
↓ソファーの仕切り?が有名絵画の柄、細かいとこまでこだわり
交通の弁もいいし、館内も綺麗だし、
展示のボリュームも質もいい感じなので、
またぜひ行きたいと思います!!!
参考
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・「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×森村泰昌 M式「海の幸」ー森村泰昌 ワタシガタリの神話」配布資料、
公式サイト https://www.artizon.museum/exhibition/detail/64
(最終閲覧2022.1.3)
・石橋財団コレクション選 「印象派ー画家たちの友情物語」 「特集コーナー展示 挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」配布資料、
公式サイト https://www.artizon.museum/exhibition_sp/impressionists/
https://www.artizon.museum/exhibition/detail/63
(最終閲覧2022.1.3)